当社は、2005年に給食用食器業界で初めてISO14001の認証を成田工場で取得しています。ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを維持し、かつ、マネジメントレビューと内部監査を定期的に実施し、環境の継続的な改善を図っています。また、2009年にISO9001の認証も成田工場で取得し、品質管理・保証のグローバルスタンダードである品質マネジメントシステムにより、品質方針を定め管理組織体制を強化し品質保証活動に取り組み、品質向上によるお客様の満足する「製品とサービス」の提供を推進しております。
このページでは、成田工場の学校給食向け食器の製造工程を、原料の用意~食器の出荷まで、写真と共にご紹介します。
1.原料の用意
食器は樹脂ペレットを原料として製造します。樹脂ペレットとは射出成形機で成形する際に使う原料で、3~5mmの粒状にしたものです。射出成形機内で樹脂ペレットを高温で溶かし、注射器の原理で金型に注入、冷却、成形します。
2-1.作る:一次成形(射出成形機)
食器は射出成形機で成形します。人の身長より高い2m超の高さ、長さは普通乗用車より長く6~7メートルあり、工場見学で初めて目にする方は、お茶碗のようなサイズの食器を作るのにこんなに大きな工作機械を使うんだ!と驚かれます。
2-2.作る:一次成形(金型の設置と成形条件の調整)
食器には、一つ一つに専用の金型があります。ご自宅でチョコレートを溶かして型にはめ、動物やハート形のチョコレートを作ることと原理は同じです。はじめに射出成形機に金型をセットするのですが、重さが400~500kgもありますので手で持つことはできず専用のクレーンで持ち上げます。次に、成形条件を調整します。成形条件とは温度や圧力、時間など射出成形の各工程で設定する値のことです。食器の形や大きさなどの品質を一定に保つためには、射出成形機の成形条件を適切に設定し監視することが必要です。
2-3.作る:一次成形(金型での成形と取り出し)
金型の中で冷却された成形物(食器)は金型を開いて取り出します。写真は食器を取りだしている場面です。できたては高温で手では触ることができませんので専用の取り出し装置を用いています。
2-4.作る:一次成形(一次成形品の完成)
一次成形品が完成しました。当社の主力製品であるE-エポカルは、内側と外側の二つのパーツ(内子と外子)で構成されており、それぞれ別々に成形します。一次成形では内側のパーツ(内子)を作ります。工場見学に来ていただいたお客様からは、射出成形機で成形される食器が1回の成形で1分程度時間がかかるのをご覧になられた際に「もっとポンポン!と簡単にできあがるイメージがあったので驚きました」と感想をいただくことがあります。成形には意外と時間がかかります。そこに成形の難しさやメーカー独自の経験、工夫が凝縮されています。
3-1.彩る:印刷(一次成形品に印刷)
2-4でできあがった一次成形品(E-エポカルの内側のパーツ=内子)に絵柄を印刷します。絵柄は、当社の定番柄であるバルーンやクローバー、ブロックラインはもちろん、特注柄としてお客様である自治体の名称や市章、ご当地キャラクターなどさまざまなものがあります。写真は、一次成形品にきちんと印刷されているか品質を確認している様子です。
3-2.彩る:印刷(印刷後の乾燥)
一次成形品(E-エポカルの内側のパーツ=内子)に印刷し、品質を確認した後、専用のラックを用いて乾燥処理をします。ご自宅等で、何かに油性ペン等で書いた後、乾く前に触ってしまってインクがにじんでしまったという経験がある方もいらっしゃると思います。それと同じで、印刷後にしっかり乾くまで乾燥処理をしないと、せっかく印刷した絵柄がにじんでしまいます。当社では、製品ごとに管理し乾燥処置を行っています。
3-3.彩る:印刷(一次成形品の印刷完成)
一次成形品(E-エポカルの内側のパーツ=内子)の印刷が完成しました。この後の4-1~4-3の工程で内子と外子を高熱で溶着して一体化しますが、印刷した絵柄は内子と外子の間にサンドイッチされます(=二層構造)。食品衛生法では、食品容器に印刷したインクが直接食品に触れないようにすることが盛り込まれています。二層構造とすることでインク成分が食器の外に漏れることがなく、またお箸やスプーン、フォーク等で給食を食べても、絵柄の剥がれや退色がなく美しさを長く保ちます。
4-1.作る:二次成形(一次成形品との一体化)
二次成形も射出成形機で行います。はじめに、3-3で絵柄を印刷した一次成形品(E-エポカルの内側のパーツ=内子)を射出成形機の専用金型にセットしておきます。その後、射出成形機で一次成形品が入った金型の中に原料を流し込み二次成形品を作成しますが、高温でどろどろに溶けた原料の溶解熱により一次成形品と二次成形品が食器として一体化します。熱で溶けた原料そのものが接着剤の役割を果たしています。写真は、射出成形機で一体化した食器を取り出し、ベルトコンベアに並べている様子です。
4-2.作る:二次成形(外観検査)
二次成形を終えた食器は、外観検査を実施し記録しています。手間のかかる作業ですが、品質水準を高く保つための工程のひとつです。
4-3.作る:二次成形(二次成形の完了)
二次成形を終え食器のカタチが完成しました。ただし、これで終わりではありません。完成品の食器としてお客様の手元にお届けするまで、まだまだ工程があります。
5-1.仕上げ: 食器口元の仕上げ加工
4-3で食器のカタチが完成したものについて、一つ一つ、食器口元の面取りを行います。射出成形機で成形しただけでは、バリがついていたり、なめらかでなかったりします。給食を食べるこどもたちが、安心・安全に、おいしく食べられるよう、口元をなめらかにする仕上げ加工を施していきます。
5-2.仕上げ: 目視による全数検品
仕上げ加工を施した後、今度は目視にて全数検品を行います。前工程で見落とした規格外品がないかをチェックしています。これも、安心・安全、品質水準を高く保つための工程のひとつです。
6-1.品質管理: 梱包ラベルとの照合
5-2で全数検品を終えた食器は、成田工場と同じ敷地内にある成田第二工場(物流倉庫)へ移し保管します。入庫する前に、製品が正しく段ボールに梱包されているか、梱包ラベルとの照合を実施します。お客様へはこの段ボールに梱包された状態でお届けしたり、また個別に取り出して他の商品と混合で発送したりしますので、梱包ラベルと中に入っている製品が一致している必要があります。同じ形をした食器でも絵柄が異れば全く別の製品となりますので、凡事徹底、当たり前のことを当たり前に実施しています。
6-2.品質管理: ISO9001に準じた抜き取り検査
ISO9001(品質マネジメントシステム)に準じた抜き取り検査を行い記録します。写真はノギスを用いて抜き取った食器を計測している様子です。
7-1.保管管理: 在庫保管
6-2で品質の最終確認を終えた製品は、成田第二工場(物流倉庫)にてロケーション管理をし、在庫保管されます。
7-2.出荷: 出荷準備
お客様からご注文をいただきました製品は、成田第二工場より出荷します。物流システムを用い、正確かつ効率的に製品を集め、お客様へ出荷する準備をします。
7-3.出荷: 全国に発送
出荷準備を終えた商品を、提携する物流企業に委託し全国のお客様へ御届けします。
成田工場・成田第二工場
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