成田工場での品質への取り組み

当社は業務用食器製造販売を主業としていますが、学校や病院、福祉施設、社員食堂など、それぞれ調理環境、食事の提供スタイルが異なり、食器に求められるものが多様化しています。その中で変わらずに求められるものは「品質」です。当社の製品がお客様から信頼をお寄せいただいている大きな理由のひとつがここにあると考えています。食器に求められる機能性や耐久性、安全性、デザイン等はすべて、「品質」の土台があって成り立ちます。ISO9001の取得は手段であり、目的は「品質」の維持・継続、改善のサイクルを実務レベルで腹落ちさせて、現実のものとして取り組むことにあります。当社は決して大きなメーカーではなく、予算も人員も限られていますが、いわゆるポーズではない、うそのない、等身大のシンプルな取り組みを全員で実施しています。

成田工場の様々な品質への取り組みの中から一例を写真と共にご紹介します。

1.製品設計

1.製品設計
写真は製品の仕様を確認している様子。

当社の食器は学校や幼保、病院や福祉施設等で使用されることが多く、「安全・安心」であることが大前提となります。幼保に通う園児たち、学校に通う生徒たち、入院している患者さんたちの給食は、一定の期間毎日繰り返し提供されますので、料理が盛り付けられる食器も毎日使用され、洗浄・消毒・乾燥の工程が繰り返されます。何度も繰り返し使用される環境下でも食器がタフで壊れにくく、安全にまた安心してご使用いただくために1つ1つの食器の品質が高い水準で一定に保たれることが重要となります。このような大前提を念頭に置き、製品設計については、アイデアの発掘とイノベーションを促進する柔軟性のある組織づくりを推進しながら取り組んでいます。商品開発部門が中心となり、製造部門、営業部門、その他各部門と連携し、お客様が何を求めているか、給食業界でのトレンド、技術の進化など、さまざまな視点・角度から情報を集め、具体化して製品設計に落としていきます。
「いいものを長く使う」
安全に、また安心して長期間ご使用いただける製品を開発しています。

2.ISO、QC活動&会議

2.ISO、QC活動&会議
写真は成田工場での会議の様子。

ISO(9001、14001)、QC(Quality Control:品質管理)については、成田工場内の各部門でサークルを作り定期的に活動しています。各サークルがそれぞれ設定した年間のテーマに沿ってPDCAサイクルを実行、取り組み内容や進捗、効果は工場全体で共有・ディスカッションし、地に足のついた取り組みにしています。また、ISO・QC活動と共に、テーマに限らず各部門で5S活動も実施しています。一般的な5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)に成田工場独自にS(セーフティ)を加え、5S+Sという考えで活動しているのが特徴的です。自社の製造技術や、製品は各種産業を支えるという気持ちを持ち、未来に向けて更なる研究開発・技術革新を進めていきます。

3.活動スローガンの掲示

3.活動スローガンの掲示
写真は成田工場内に設置した活動スローガン。

成田工場全体の方針を見える化し、ひとりひとりが目的意識を持って能力を最大限発揮してもらいたいという思いから、成田工場内に活動スローガンを掲示しています。成田工場長をはじめ皆が心構えを持ち、安全にまた安心して働けるよう、能力を発揮しやすい職場となるよう、環境づくりを推進しています。スローガンが絵に描いた餅にならないように、ISO・QC活動や日々の業務の中から得られた声なども参考に、大小様々な職場環境改善を継続的に実施しています。

4.技術革新の基盤

4.技術革新の基盤
写真は産業用ロボットが稼働している様子。

成田工場では、産業用ロボットなど産業機器の積極的な導入を行っています。業務用食器は数千個単位で製造することも多く、単純で繰り返し行う工程などは、機械を導入することで正確かつ速いスピードで進めることができます。数量を多く製造する中で品質が一定に保たれるのも機械化によるメリットです。一方で、人の目や手が入る繊細な工程も多くあります。機械化で効率化できた分をそれらの工程や新たな取り組みに充当することができます。働き方改革やサステナビリティの取り組みをする上でも重要な要素となります。人の能力・知見を積み上げながら、新技術の導入を図り、革新的な商品開発につなげていく。食器をご使用いただくみなさまに安全・安心をお届けするためのサイクルの基盤になっています。

5.小集団活動の充実

5.小集団活動の充実
写真は年間のテーマを掲げてQC活動に取り組んだサークルに対する表彰状です。

成田工場では○○委員会や△△グループなど、テーマや目的を持った活動が複数あります。ISO・QC活動では各部門でサークルを作り定期的に活動していますがこれもそのひとつです。これらは小集団活動と呼んでおり、従業員が働きやすく、またチャレンジできる職場環境を構築する上で欠かせない取り組みの一つとなっています。リーダー的職位でもメンバー的職位でも誰もが意見を出し実行することができ、周りもよく意見を聞き入れ様々な意見を出し合い協力できる空気感があります。目的を達成する過程で定期的に報告会を実施したり表彰制度もありますので緊張感がありますが、全体的に風通し良く、堅苦しくない活動となっていることが特徴です。

6.安全衛生パトロール

6.安全衛生パトロール
写真は安全衛生パトロールを実施している様子。

成田工場にとって安全であることや衛生を守ることは身近なことであり、また「絶対」が付くくらい大きな意味のあることでもあると捉えています。従業員が安全に、衛生が保たれた環境で働くことができるよう、労働環境を改善しながら心と体の健康を守ります。こうした目的意識を持ちながら、安全衛生パトロールは月に1度、従業員が毎回構成メンバーを変えて各職場を巡回しています。チェック項目は共通していますが、チェックする人の目が変わることでそれぞれ見え方も変わり、文字通り様々な視点でパトロールが行われます。パトロールのメンバーが自分の所属する部門を巡回することもありますが、アラ探しをするくらいの気持ちでチェックします。職場への巡回以外でも、工場敷地内にある駐車場や、通勤自動車の構内徐行運転・シートベルト着用が守られているかについてもパトロールしています。パトロールを実施して得られた情報は、次の労働環境改善につなげられ、このサイクルを継続することが従業員の心と体の健康を守ることにつながります。

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